抱っこが腰痛・肩こりを悪化させる?|産後の反り腰・猫背を改善する方法
- 理学療法士 岡澤 奨
- 12月10日
- 読了時間: 5分
更新日:12月12日

産後、赤ちゃんの抱っこをしていると腰が痛い、肩がこるという悩みを抱えていませんか?
「鏡を見ると姿勢が悪くなっている気がする」「妊娠前とは明らかに体のラインが変わってしまった」と感じる産後ママは少なくありません。
実は、産後の腰痛や肩こりの多くは、反り腰や猫背といった姿勢の崩れが原因になっています。
そして、毎日の抱っこ動作がその姿勢をさらに悪化させている可能性があるのです。
この記事では、産後に反り腰・猫背になりやすい理由と、腰痛・肩こりを改善するための具体的な方法について、理学療法士の視点から解説します。
産後に反り腰・猫背になる3つの理由
産後ママの姿勢が崩れやすいのには、明確な理由があります。
まず、妊娠中からの姿勢変化の影響です。
妊娠中はお腹が大きくなることでバランスを取るために反り腰になりやすく、この姿勢パターンが産後も続いてしまうことがあります。
妊娠中に10ヶ月近くかけて染み付いた姿勢の癖は、出産後すぐには元に戻りません。
次に、抱っこ姿勢の影響です。
赤ちゃんを抱っこするときは前かがみになり、腰を反らせて支える姿勢になりがちです。
授乳時も同様に前かがみで猫背になりやすく、1日に何度も繰り返されるこれらの動作が姿勢の崩れを加速させます。
そして、筋力の低下も大きな要因です。
妊娠・出産を経て腹筋や骨盤底筋といった体幹を支える筋肉が弱くなっており、正しい姿勢を維持する力が不足しています。
筋力が低下した状態で抱っこや育児動作を続けることで、さらに姿勢が崩れやすくなるのです。
反り腰・猫背が引き起こす体の不調
姿勢の崩れは、単に見た目の問題だけではありません。
反り腰や猫背は体のさまざまな不調を引き起こします。
最も多いのが腰痛です。反り腰の状態では腰椎に過度な負担がかかり、慢性的な痛みにつながります。
抱っこをするたびに痛みが増す、朝起きたときに腰が重いといった症状がある場合は、反り腰が原因かもしれません。
肩こりや首のこりも典型的な症状です。
猫背になると頭が前に出て、首や肩の筋肉が常に緊張した状態になります。
授乳や抱っこで長時間同じ姿勢を続けることで、さらに症状が悪化します。
また、姿勢の崩れは疲れやすさにもつながります。
正しい姿勢であれば最小限の力で体を支えられますが、反り腰や猫背では余計な筋肉を使い続けることになり、すぐに疲れてしまうのです。
育児で忙しい産後ママにとって、この慢性的な疲労感は大きな負担になります。
反り腰・猫背を改善するストレッチとエクササイズ
姿勢を改善するには、硬くなった筋肉をほぐし、弱くなった筋肉を強化することが大切です。 ここでは、抱っこの合間や育児の隙間時間にできる方法をご紹介します。
これらのストレッチやエクササイズは、無理のない範囲で続けることが重要です。
痛みがある場合は無理をせず、できる範囲から始めてください。
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日常生活で気をつけたい姿勢のポイント
ストレッチやエクササイズと合わせて、日常の動作での姿勢を見直すことも大切です。
抱っこをするときは、赤ちゃんをできるだけ体に近づけて抱くようにしましょう。
体から離して抱くと、それだけ腰への負担が増えます。また、腰だけで支えるのではなく、お腹や背中全体で赤ちゃんの重さを受け止めるイメージを持つと、腰への負担を分散できます。
授乳時は、授乳クッションを使って赤ちゃんの位置を高くし、前かがみにならないよう工夫してください。
背もたれのある椅子に座り、背中をしっかりつけることで猫背を防げます。
床から物を拾うときや抱っこで立ち上がるときは、腰を曲げるのではなく膝を曲げてしゃがむようにしましょう。この動作だけでも腰への負担は大きく変わります。
専門家のサポートを受けるメリット
姿勢の改善は自分でもできますが、なかなか変化が見られない、痛みが続く場合は専門家のサポートを受けることも検討してください。
理学療法士による運動指導では、一人ひとりの姿勢や筋力の状態を評価し、最適なプログラムを提供できます。
One's Fitでは産後ママ向けのコースを提供しており、託児サービスも利用できるため、赤ちゃんと一緒に通うことができます。
産後に運動するときの注意事項
産後の体はデリケートな状態です。以下の点に注意してください。
産後すぐの運動開始は避け、1ヶ月検診で医師の許可を得てから始めましょう。帝王切開の場合はさらに慎重に、医師の指示に従ってください。
運動中に強い痛みや不快感がある場合は、すぐに中止して医療機関を受診してください。
特に腰痛がひどい場合や、骨盤に違和感がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
産後の反り腰・猫背は、妊娠中からの姿勢変化、抱っこ姿勢の影響、筋力低下という3つの要因で起こりやすくなります。
これらの姿勢の崩れが、腰痛や肩こり、慢性的な疲労感を引き起こします。
改善には、ストレッチやエクササイズで筋肉のバランスを整えることと、日常生活での姿勢を見直すことが大切です。
無理のない範囲で続けることで、少しずつ体は変化していきます。
育児は長期戦です。ママ自身の体を大切にしながら、快適に赤ちゃんとの時間を過ごせるよう、できることから始めてみてください。









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