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赤ちゃんのお座りはいつから?生後8ヶ月でできない原因と理学療法士が教える【無理しな い練習方法】 生後8ヶ月

  • 執筆者の写真: 理学療法士 岡澤 奨
    理学療法士 岡澤 奨
  • 11月10日
  • 読了時間: 9分

まだお座りできなくて不安なママへ


「同じ月齢の子はもうお座りしているのに、うちの子はまだグラグラで…」


「健診で様子見と言われたけど、本当に大丈夫?」


生後 8 ヶ月を過ぎてもお座りが安定しないと、焦りや不安を感じるママは少なくありませ ん。


周りの赤ちゃんと比べてしまったり、発達に問題があるのではと心配になったりするの は、とても自然なことです。


この記事では、理学療法士の視点から、お座りの発達段階や8ヶ月でできない原因、そして 赤ちゃんに負担をかけない練習方法について詳しく解説します。


お座りはいつから?発達の目安と個人差


赤ちゃんのお座りは、生後6ヶ月頃から始まり、段階的に発達していきます。


最初はママやパパが腰を支えると短時間座れる程度で、両手を前について背中を丸めた状 態で数秒キープするのがやっと。


バランスが不安定で、すぐに倒れてしまうこともよくあり ます。


生後8〜9ヶ月になると、手をついた状態で5分程度座れるようになってきます。


時々手を離してバランスを取ろうとする姿も見られますが、まだ完全には安定しない時期 です。


そして生後 9〜10 ヶ月頃には、手をつかずに背筋を伸ばして座れるようになり、おもちゃ を持ったまま座位を保ったり、座ったまま体の向きを変えたりできるようになります。


厚生労働省の乳幼児身体発育調査によると、1 分以上支えなしで座れる赤ちゃんの割合は、 生後7〜8ヶ月で約50%、生後8〜9ヶ月で約80%、生後9〜10ヶ月で約90%以上となっ ています。


つまり、8ヶ月の時点でお座りできない赤ちゃんは約半数いるということです。


早い子は5 ヶ月でできる一方、遅い子は10ヶ月以降になることもあり、その差は約半年にもなります。


このように、お座りの時期には大きな個人差があるため、8ヶ月でできなくても過度に心配 する必要はありません。



生後8ヶ月でお座りできない5つの原因


理学療法士の視点から、8ヶ月でお座りができない主な原因を解説します。


体幹の筋力がまだ発達途中

お座りには、腹筋・背筋・腰周りの筋肉がバランスよく発達している必要があります。


背筋は上体を起こして姿勢を保つために、腹筋は前に倒れないようバランスを取るために、 そして腰周りの筋力は座位の基盤を安定させるために重要です。


寝返りやずりばいの経験が少ないと、これらの筋肉の発達が遅れることがあります。


首すわりの時期が遅かった

首がしっかりすわる時期が遅かった赤ちゃんは、その後の運動発達も全体的にゆっくりペ ースになる傾向があります。


これは異常ではなく、その子のペースで順調に発達している証拠です。


体格的な要因

小柄で低体重の赤ちゃんは、筋肉量が少なめで体を支える力がつくのに時間がかかります。 特に早産児や出生体重が小さかった赤ちゃんに多く見られます。


一方、大きめの赤ちゃんの場合は、自分の体重を支えるのにより強い筋力が必要で、バラン スを取るのに時間がかかることもあります。


性格や興味の方向性

運動発達は、赤ちゃんの性格にも影響されます。慎重派の赤ちゃんは完全にバランスが取れ るまで座ろうとしませんし、動き回りたいタイプの赤ちゃんはお座りよりずりばいやハイ ハイを優先することもあります。


また、過去にお座りから転倒して顔を打った経験があると、座位を嫌がるケースもあります。 環境的な要因 日常の過ごし方も影響します。


うつぶせ遊びの時間が少なかったり、ベビーチェアに座らせ る時間が長すぎたり、床で自由に動く機会が少なかったりすると、赤ちゃんが自分で体を動 かして筋力をつける機会が減ってしまいます。


やってはいけない!間違ったお座り練習


「早くお座りさせたい」という気持ちから、かえって赤ちゃんの発達を妨げてしまう間違っ た方法があります。


生後4〜5ヶ月など、体の準備ができていない時期に無理に座らせるのは危険です。


背骨や腰に過度な負担がかかり、筋肉疲労や痛みを引き起こす可能性があります。


首を痛める危険 性もあるため、首がしっかりすわり、うつぶせで胸を持ち上げられるようになるまでは、お 座りの練習は控えましょう。


また、「座らせておけば慣れる」と考えて長時間座位を強制するのも逆効果です。


赤ちゃん の体に大きな負担がかかるだけでなく、お座り自体に抵抗感を持ってしまったり、自然な筋 力発達を妨げたりすることがあります。


最初は数秒から数十秒程度から始め、赤ちゃんが嫌 がったらすぐにやめることが大切です。 お座り補助クッションを使う場合も注意が必要です。


クッションに頼りすぎると、自分でバ ランスを取る力が育ちません。


完全に固定してしまうのではなく、倒れそうな時のサポート として使い、長時間の使用は避けましょう。


そして何より、赤ちゃんが泣いたり嫌そうな表情をしたりしているのに練習を続けるのは NGです。


赤ちゃんは体に負担がかかると、ぐずったり泣いたりして教えてくれます。その サインを見逃さないようにしましょう。


理学療法士が教える"無理しない"お座り練習方法


ここからは、赤ちゃんの自然な発達を促す、安全で効果的な方法をご紹介します。


まずは体幹を育てる遊びから


お座りの土台となる筋力を、遊びの中で自然に育てましょう。


うつぶせ遊びは背筋を鍛える のに効果的です。


赤ちゃんをうつぶせにして、少し離れた場所におもちゃを置くと、手を伸 ばそうとする動きが背筋を鍛えます。


1回10秒から3分程度、慣れてきたら時間を増やしていきます。


必ず目の届く範囲で行いましょう。





寝返りやずりばいを促す環境づくりも大切です。


赤ちゃんが向いている方向の反対側から おもちゃの音を鳴らしたり、興味のあるおもちゃを少し離れた場所に置いたりすることで、 全身を使った動きが促され、お座りに必要な筋力が育っていきます。


安全な環境でお座りの姿勢に慣れる


体幹がある程度育ってきたら、お座りの姿勢に少しずつ慣れていきましょう。


ママやパパの 足を広げて座り、その間に赤ちゃんを座らせて腰を軽く支えてあげます。


赤ちゃんに両手を 床につかせて、自分でバランスを取る練習をさせましょう。


倒れそうになったらすぐに支えられる体勢でいることが重要です。



周囲の安全対策も忘れずに。クッションや座布団で周りを囲み、柔らかいマットを敷いて、 角のある家具から離れた場所で行いましょう。


興味を引いてお座り時間を伸ばす


お座りの姿勢で遊べるおもちゃを目の高さに置くと、座って遊びたくなる工夫になります。


両手で持てるおもちゃや音が鳴るおもちゃが効果的で、夢中になると自然とお座り時間が 伸びていきます。


練習時間は、最初は数秒から30秒程度で十分です。


赤ちゃんの機嫌が良い時に、1日に何 度かに分けて短時間ずつ行い、疲れたり嫌がったりしたらすぐ休憩しましょう。



発達段階を見極めるポイント


理学療法士が注目する、お座りの準備ができているサインがあります。


お座りの状態から左 右に倒れそうになると、倒れる側の手を床につこうとしたり、反対側の腕を挙げてバランス を取ろうとしたりする動き(側方パラシュート反射)が見られれば、お座りの準備が整ってき ている証拠です。


また、うつぶせで肘を伸ばして上体を起こせるようになっていれば、背筋がしっかり発達し ています。


両方向への寝返りがスムーズにできることも、体幹の筋力とバランス感覚が育っているサインです。


これらのサインが見られない場合は、まだお座りの準備段階なので、焦らず体幹を育てる遊 びを続けましょう。


いつ専門家に相談すべき?受診の目安


多くの場合、8ヶ月でお座りができなくても心配ありませんが、いくつか注意すべきケース があります。


9〜10 ヶ月健診でも全くお座りできない場合、特に手をついた状態でも数秒座れなかった り、支えてもグニャッとすぐ倒れてしまったりする場合は、一度専門家に相談することをお すすめします。


また、体全体の発達に気になる点がある場合、例えば首すわりが遅くまだ不安定だったり、 抱っこした時に体が異常にやわらかかったり硬く突っ張ったりする場合、、寝返りやずりばいなど他の運動発達も全体的に遅い場合なども、相談を検討した方が良いでしょう。


さらに、目が合いにくい、声をかけても反応が薄い、あやしても笑わないなど、コミュニケ ーション面でも心配がある場合は、早めに小児科医に相談してください。


医療現場では、生後9〜10ヶ月頃までに90%以上の赤ちゃんがお座りできるようになると いうデータを基準にしています。


そのため、6〜7 ヶ月健診でお座りができなくても、他に問題がなければ「様子を見ましょ う」と言われることが多いです。


ただし、次の健診まで間が空くことも多いので、心配な場 合はかかりつけの小児科医に相談しておくと安心です。


One's Fit の赤ちゃん発達支援サービス


One's Fit では、理学療法士による赤ちゃんの発達支援を行っています。


お座りの練習方法 を直接教えてほしい、うちの子の発達が順調か専門家に見てもらいたい、個別の状態に合わ せたアドバイスが欲しい、赤ちゃんを見てもらっている間に自分の産後ケアもしたい、そん なママにおすすめです。


理学療法士が運動発達の段階を専門的に評価し、体幹の筋力やバランス感覚をチェックし て、お子さんに合った練習方法を個別にアドバイスします。


また、有資格の保育士が在籍しているため、保育サービスもご利用いただけます。ママがケ アを受けている間、発達段階に応じた遊びを通じてお子さんをお預かりすることも可能です。


赤ちゃんのお世話による肩こりや腰痛、抱っこや授乳による姿勢の歪み、産後の体力回復な ど、ママ自身の体のケアも同時に行えるのがOne's Fitの特徴です。


赤ちゃんの発達を見守 りながら、ママ自身の体のケアもできる環境をご用意しています。


まとめ 焦らず、赤ちゃんのペースを大切に


お座りは赤ちゃんの大切な発達の節目ですが、その時期には大きな個人差があります。


8 ヶ月でお座りできない赤ちゃんは約半数いますし、9〜10 ヶ月頃までに 90%以上ができ るようになります。


無理な練習は逆効果で、体の準備ができてから、遊びの中で自然に体幹 を育てることが大切です。


同じ月齢の子と比べて焦ってしまうこともあるかもしれませんが、赤ちゃんはそれぞれの ペースで成長しています。


無理のない範囲でサポートしながら、赤ちゃんの「できた!」の 瞬間を一緒に喜びましょう。不安な時は一人で抱え込まず、専門家に相談してくださいね。




【医療に関する免責事項】 この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的なアド バイスに代わるものではありません。お子さんの発達について心配なことがある場合は、必 ず小児科医や専門家にご相談ください。

【監修について】 この記事は理学療法士 岡澤 奨の監修のもと作成されています。

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