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【理学療法士監修】妊娠中の腰痛を優しく軽減 自宅でできる安全ストレッチ3選

  • 執筆者の写真: 理学療法士 岡澤 奨
    理学療法士 岡澤 奨
  • 10月31日
  • 読了時間: 6分

更新日:11月12日



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妊娠中の腰痛、我慢していませんか?


「朝起きる時、腰が痛くてすぐに動けない…」


「立っているだけで腰が重だるい…」


「寝返りを打つたびに腰が痛くて目が覚める…」


妊娠中の腰痛は、多くの妊婦さんが経験する悩みです。


お腹が大きくなるにつれて腰への負担が増え、痛みがどんどん強くなっていく…でも、妊娠中は気軽に痛み止めを飲むこともできず、つらいですよね。


実は、自宅でできる安全なストレッチで、妊娠中の腰痛を和らげることができるんです。


この記事では、理学療法士の視点から、妊娠中でも安全に行える腰痛軽減ストレッチを3つご紹介します。



妊娠中に腰痛が起こる4つの理由


なぜ妊娠中は腰痛が起こりやすいのでしょうか?


主な理由は4つあります。


理由① お腹が大きくなり姿勢が変化する


お腹が前に出ると、バランスを取るために腰を反らせた姿勢(腰椎前弯)になります。


この姿勢は腰の筋肉に大きな負担をかけ、痛みの原因になります。


理由② 体重増加による腰への負担


妊娠中は平均8〜12kg体重が増加します。この重さを支えるために、腰や骨盤周りの筋肉が常に頑張っている状態です。


理由③ ホルモンの影響で骨盤周りが緩む


「リラキシン」というホルモンの影響で、骨盤周りの靭帯が緩みます。


これは出産に向けた身体の準備ですが、骨盤が不安定になり、腰痛を引き起こすこともあります。


理由④ 運動不足による筋力低下


妊娠中は安静にしがちで運動量が減り、腰や骨盤を支える筋力が低下します。


筋力が弱まると、姿勢を保つのがさらに難しくなり、腰痛が悪化する悪循環に陥ります。


妊娠中の腰痛を放置するとどうなる?


「出産したら治るだろう」と腰痛を我慢していませんか?


実は、妊娠中の腰痛を放置すると、いくつかのリスクがあります。


日常生活に支障をきたし、家事や仕事がつらくなります。


腰痛が原因で睡眠不足になり、疲労が蓄積すると心身ともに負担が増えます。


さらに、妊娠中の腰痛は産後にも持ち越されることが多いんです。


産後は育児で抱っこやおむつ替えなど、腰に負担がかかる動作が増えるため、妊娠中から腰痛があると産後の回復が遅れる可能性があります。


早めに対処することで、妊娠中も産後も快適に過ごせる身体を作ることができます。


ストレッチを始める前に必ず確認してください


腰痛を和らげたい気持ちは分かりますが、安全第一です。


ストレッチを始める前に、以下の点を必ず確認してください。


医師の許可を得ているか


担当の医師に「ストレッチをしても大丈夫か」確認しましょう。


切迫流産や切迫早産のリスクがある場合は、安静が必要です。


安定期(16週以降)に入っているか


基本的には安定期に入ってから始めるのが安全です。


妊娠初期は無理をせず、身体を休めることを優先しましょう。


体調が良いか


つわりがひどい日、お腹の張りを感じる日、疲れている日は無理にストレッチをせず、休むことも大切です。


避けるべきタイミング


食事の直後や入浴直後、疲れている時は避けましょう。


リラックスできる時間帯に行うのがおすすめです。


基本ルールを守る


・無理をしない(痛みを感じたらすぐに中止)

・ゆっくりとした動きで行う

・呼吸を止めない

・心地よいと感じる範囲で行う


これらを守れば、安全にストレッチを行うことができます。




妊娠中の腰痛を軽減する安全なストレッチ3選


それでは、自宅で簡単にできる腰痛軽減ストレッチを3つご紹介します。


お腹に負担をかけず、安全に行える方法を選んでいます。


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ストレッチの効果を高める5つのポイント


せっかくストレッチをするなら、効果を最大限に引き出したいですよね。


以下のポイントを意識してみてください。


ポイント① 実施タイミング


朝起きた時や就寝前がおすすめです。特に就寝前に行うと、腰の緊張がほぐれて眠りやすくなります。


ポイント② 頻度


1日2〜3回が理想的です。短時間でも毎日続けることで、徐々に腰痛が軽減されていきます。


ポイント③ 呼吸法


鼻から大きく息を吸い、口からゆっくり吐きながら伸ばします。


呼吸を意識することでリラックス効果も高まります。


ポイント④ 温めてから行う


入浴後など、身体が温まっている時に行うと筋肉が伸びやすく効果的です。


ただし、入浴直後は避け、少し休んでから行いましょう。


ポイント⑤ リラックスした環境で


照明を落とす、ゆったりした音楽をかけるなど、リラックスできる環境で行うとより効果的です。


こんな症状があったらすぐに中止して受診してください


ストレッチ中や後に以下の症状が現れた場合は、すぐに中止し、医師に相談してください。


出血がある


少量でも出血があった場合は、すぐに安静にして医療機関に連絡しましょう。


強いお腹の張りや腹痛


お腹が頻繁に張る、または張りが強い場合は要注意です。子宮収縮が起きている可能性があります。


足のしびれや脱力感

足にしびれや力が入らない感覚があれば、神経が圧迫されている可能性があります。


めまいや動悸

ふらつきやめまい、動悸を感じたら、すぐに座るか横になってください。


腰痛が悪化する


ストレッチで腰痛が悪化する場合は、やり方が合っていない可能性があります。

無理に続けず、専門家に相談しましょう。


ストレッチで改善しない場合は専門家に相談を


自宅でのストレッチを続けても腰痛が改善しない、または悪化する場合は、セルフケアの限界かもしれません。


そんな時は、専門家のサポートを受けることを検討してみてください。


理学療法士は、身体の構造や動作について医学的な知識を持つ国家資格の専門家です。


妊娠中の身体の変化を理解した上で、あなたの腰痛の本当の原因を評価できます。


例えば、「腰痛」といっても、原因は人それぞれ異なります。


姿勢の問題なのか、特定の筋肉の弱さなのか、骨盤の不安定さなのか…理学療法士は専門的な評価を通じて原因を特定し、あなたに本当に必要な運動やストレッチを提案できます。


また、正しいフォームで行うことで、効果が高まるだけでなく安全性も確保できます。


妊娠中は身体が変化し続けるため、時期に応じた適切なアドバイスを受けられるのも大きなメリットです。


さらに、妊娠中だけでなく産後の身体のケアまで見据えた一貫したサポートを受けられます。


産後は抱っこや授乳など、さらに腰に負担がかかる動作が増えるため、長期的な視点でのケアが重要です。


One's Fitでは、妊娠中から産後まで一貫したケアを提供しています。


理学療法士が一人ひとりの身体の状態に合わせて安全なストレッチや運動を指導し、保育士による託児サービスもあるため、産後も安心して通うことができます。


まとめ 3つのストレッチで腰痛を優しく軽減

妊娠中の腰痛は多くの妊婦さんが経験する悩みですが、自宅でできる安全なストレッチで軽減できます。


今回ご紹介した3つのストレッチを、無理のない範囲で毎日続けてみてください。


ポイントは「気持ちいい」と感じる程度にとどめること。痛みを感じるまで伸ばす必要はありません。


ただし、安全が何より大切です。体調が悪い日は無理をせず、異常を感じたらすぐに中止して医師に相談してください。ストレッチを続けても改善しない場合は、専門家のサポートを受けることも検討してみてくださいね。


あなたと赤ちゃんの健康が一番大切です。無理なく、心地よいペースで腰痛ケアを続けていきましょう。

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